はんこの歴史は古く、紀元前3000年頃のメソポタミアが発祥の地と言われています。
日本最古のものは「漢委奴国王」の金印で、弥生時代に中国から伝わってきました。
平安・鎌倉時代になると個人が押す習慣が定着し、明治に入ると公に用いるものは法律の規定で管理・使用されるようになります。現在でも印鑑登録制度の導入で、法的に管理が行われています。このように、世界中で法的な意味を持つのは、日本と中国・韓国の3カ国だけになっています。
それでは世界では、本人確認や証明の手段はどのようになっているのでしょう。
ヨーロッパでは、昔指輪印などが普及していましたが、サインが15世紀ごろから主流になり始め、19世紀には印を押す習慣はほぼなくなっています。そして世界のほとんどの国が、日本ではんこを押す場面でサインを行います。さまざまな契約や日常的な場面で本人確認のサインが使用されますが、日本のように法的に管理がされた登録制度などがないので、偽造される恐れはないか疑問がでてきます。アメリカを例に挙げると、正式な契約を結ぶ時などは、公的な場所で第三者が本人確認を行った上でサインが行われています。本人確認を行う人は、ライセンスを持ったノータリー・パブリックと呼ばれ、日本の証明書の役割を果たしています。きちんとお互いを確認しながら正式な書類を作成するので、サインの方が偽造の心配がないのは確かです。欧米でも日本でも、きちんと本人を確認するということは、とても大切なことになっています。お隣の国・韓国でも、電子認証やサインが普及しており、はんを押すという文化が残るのは日本だけとなるのも遠い未来の話ではありません。
サインで済ませる外国人が日本に来た場合、サインとはんこのどちらを使用すれば良いのでしょう。
外国人が日本に居住する場合、マンションの賃貸などで初めから印鑑が必要になります。アルファベットなどの横文字でも印鑑登録はでき、カタカナなどでも可能になっています。ただ実印を登録する場合は外国人登録をしていることが大切で、登録文字と同じ文字列のものしか使用できないので注意が必要です。
日本では、今後もこのような文化を大切に保存することが見込まれているので取り扱いに注意は必要です。法的な効力がない認印と法的な効力を発揮する実印があります。認印は紛失しても問題はありませんが、登録をした実印の場合は本人の信用を保証し、自信を証明するものになるので、セキュリティのしっかりした場所に保管をしましょう。
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