住宅を売買する場合、要所要所ではんこが必要になってきます。それも実印、銀行印、認印とすべて必要です。認印はどこでも簡単に手に入りますが、実印と銀行印ははんこ屋さんで作ってもらう必要があります。それには時間と費用が掛かるので、住宅の売買契約をするよりも早めに依頼しておく必要があります。まず、ひとつひとつ特徴を見ていきましょう。
実印は役所に登録した印鑑のことを言います。高額な取引や重要なやり取りをする場合に使います。
銀行印は、預金口座などを開設するときに金融機関に届け出をするはんこです。
認印は、登録をしていない印鑑のことで、さまざまな場面で利用されます。
住宅の売買でそれぞれの果たす役割は以下の通りです。
実印は、不動産の売買契約で売主が押印をする必要があります。住宅を売る場合には、交換される金銭が多額になります。売主本人が確かに住宅を売ることに同意したという証拠がどうしても必要になるので、実印を押印しなければならないのです。これは必ずしも法律で決まっているわけではありませんが、慣例として、売り主買主ともに実印で押印します(要求されない場合もあります)。
不動産の移転登記の際にも必要です。これも法務局が売主本人の意思を確認するために、実印による押印を求めているのです。特に本人以外の誰かが勝手に売主に成りすましされては大変なので、正確を期すために実印が必要になってきます。買主は必要はありません。
ただ、買主が住宅ローンを組む場合は実印が要ります。住宅ローンを組む人が確かに本人かどうかの確認をしなければならないからです。買主は住宅ローン申込書に実印で押印するとともに契約時にも同じように判を押します。
銀行印は、住宅ローンを組むときに返済用口座の指定をするうえで必要になります。
それから、住宅の売買契約の前には、不動産業者によって重要事項説明というものが行われます。これは、物件に関する情報や契約内容、取引金額などを詳しく説明する機会を言いますが、この内容について納得した場合は署名・押印します。いったん署名・押印が終われば、あとで説明不足だったとか、聞いていなかったなどと不動産業者を責めたてることはできません。そういう意味でも、慎重には慎重を期して説明を聞き、署名・押印をする必要があります。この場合の押印は、認印で構いません。
住宅を売るにしろ買うにしろ、多額なお金がかかわってくると同時に、書類作成、身分証明の手続きに手間がかかります。そこで重要な働きをするのが印鑑ですが、間違いがないように正確に押印する必要があります。もしわからないことがあれば、不動産業者に遠慮なく聞いてみましょう。